鉄骨造の一般個人住宅もありますが、今回は住宅以外の事例をご紹介します。
商業施設でよく利用されるのが鉄骨造の建物です。まずはその特徴(木造の建物と比べた場合)について触れてみます。
鉄骨造のメリット
以下のメリットは、商業施設などで活用されることが多くなっている理由でもあります。
大空間が作れる
材料の形がH型・C型・パイプなど、強度を保ちながら軽くする工夫がなされ、定尺長さも5.5mと長くなっています。梁も上の写真のようにはしご状に組んだり、トラス(三角形を入れる)に組んだりすることで軽量化が図れます。このような理由から梁の長さを長くできるので、広い開口部が取れます。
つまり、柱の間隔を広くでき(スパンを飛ばせる)、柱の本数も少なくて済む、大空間が作りやすいということです。
屋根も上の写真のように折半の形状にすれば、屋根下地を簡略にすることができます。
工期が短くて済む
大部分を工場で加工し、現場では組立てだけになることが一般的なので、工期が短くて済みます。そのため、天気の悪い時期でも少ない日数で完成させることができるので、気象による影響を受けにくいとも言えます。
コストを削減できる
上記のような理由から、低コストでの建築が可能になります。故に商業施設などで活用されることが多くなっている訳です。
活用事例
駐車場・駐輪場
最近ではアルミ製の既製品が良く使われていますが、少し前までは駐車場にも活用されていました。
強度もさることながら、しっかりした見た目・落ち着きを表現できます。シャッターをつけることもできます。
工場・倉庫
柱を避けたい倉庫に使われることも多いです。農家小屋・倉庫にもよく利用されていました。
その他
その特長を活かし、新たな用途に利用されることもあります。下記は弓道場(的場)として活用された事例です。
工事の流れを写真で追ってみます。
鉄骨造の工事の流れ
基礎工事:配筋もそうですが、アンカーをずれなくセットすることが肝心です。
土間コンクリート打設:そのまま床として使う場合は、金ゴテで十分均します。
鉄骨建て方:場合によってレッカーなどの重機を使い、骨組みを組み立てます。
折半屋根:結露防止のため、裏地に断熱材が付いたものを用いたほうが良いでしょう。
塗装工事:鉄骨には錆止めが塗ってありますが、腐食防止のためさらに塗装します。
外装工事:サイディングや木の板で骨組みを囲います。
外構工事:建物周囲の土を均し、アプローチを整えます。
完成:今回は立派な弓道場(的場)になりました。
出来上がった弓道場の様子は「弓道文化に触れる」をご覧下さい。
鉄骨造の注意事項
鉄骨造にも弱点があります。以下の点に注意して下さい。
火事(熱)に弱い
場合により、耐火被覆が必要になります。
錆に弱い
そのため錆止め塗装・上塗り塗装をします。土に触れる部分は、メッキ加工やコンクリートを巻くなどします。
熱を伝えやすい
そのままだと夏暑く、冬寒いということになります。室内を快適に利用する場合は、断熱材を施工する必要があります。
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